rlhの2+3次元録

2次元及び3次元の読書録をしつつ、「推し作品」を紹介するブログです。

厨二病と心の揺れ動きをあなたに 今こそib -インスタントバレット-を語ろう

異能力×青春ジュブナイル漫画
少年少女の心の機微を巧みに描いた漫画
厨二病をくすぐる台詞回しも◎

かぐや様がクライマックスを迎える今こそ、ib -インスタントバレット-を語りましょう。

ib -インスタントバレット- 赤坂アカ(電撃コミックスネクスト)

かぐや様は告らせたい』の作者である赤坂アカさんの前作です。もちろん時流に乗ったからではなく、これを漫画紹介の一作目に選ぶほどにこの漫画が好きです。全5巻でとても読みやすいところも好感度高めです。
この漫画を読むと、かぐや様もきっと計算の上で作られているんだろうなぁ、と思います。

あらすじ

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孤独な少年深瀬クロは、クリスマスイブの夜に魔法使いを名乗る少女・セラと出会う。セラの魔法が「視えた」クロは彼女に誘われ、街なかに現れた化け物を協力して退治することになる。しかし、その化け物の正体はクロと関係があり……。

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1巻のあらすじを抜粋しましたが、ボーイミーツガールから始まる異能力バトルものです。
この漫画の面白さは
・ストーリー構成の秀逸さ
・モロノーグから始まる少年の成長
この2点に集約されるのではないかと思います。

・ストーリー構成の秀逸さ
異能力ものですので、仲間も敵も異能力を使います。
ただし、この物語の本筋は、異能力を起点に起こった過去に対する悔恨とそれへの赦し、です。
今の人気漫画の風潮として、出来事の中心人物となったキャラの過去を掘り下げ、その行動の起源となる過去を描くことで面白さを深めています。

ib -インスタントバレット-ではそれをしっかりやった上での回答編。つまりは過去編での出来事に対して納得感のある救いや結末のカタルシスが素晴らしい!
それは、主人公しかり、ヒロインしかり、ラスボスしかり。
シリーズの終点のカタルシスを描いた上での、各シーンでの感情の盛り上げ方であったり、セリフ選びのセンスも秀逸で、漫画というよりかは伏線回収系の小説を読んでいるような、そんな開放感があります。


・モロノーグから始まる少年の成長
ib -インスタントバレット-はモノローグ、1人語りが多い漫画です。その時の登場人物の心情、特に葛藤の部分を必ず書いています。
世界を壊したい衝動、誰かを救いたい気持ち、誰かに赦されたい気持ち。それら全ての思いを登場人物は読者の側に投げかけます。
そして繰り返される心情の開示を通して、読者は登場人物たちの変遷を知ります。
仲間との戦いや、別れ、過去と向き合い進みゆく主人公の姿に対してとても共感ができ、感動を誘われます。

彼らの旅路の果てを是非見て欲しいです。

終わりに
ib -インスタントバレット-は5巻で完結ですが、いつか続きが出るはずです!!(察し)
作者の赤坂アカさんも、いつか続きを書きたい的なことをTwitterにも書いていますし、いつか読んでみたいと思う今日この頃です。