rlhの2+3次元録

2次元及び3次元の読書録をしつつ、「推し作品」を紹介するブログです。

【名作ラノベ】熱く切ない恋と空戦の物語 とある飛空への追憶を語ろう

これは、恋と空戦の物語
君にひとつ重大な任務を託したい

このフレーズに心惹かれたあなたには、ぜひとも読んで欲しい作品があります。

とある飛空士への追憶 犬村小六/著(ガガガ文庫)

ライトノベルを500冊以上は読んできましたが、単巻で最も面白いライトノベルは?と聞かれれば、間違いなくこれを選びます。
なぜか?理由は3つです。

・王道のボーイミーツガール
・熱い空戦
・不自由な地上と自由な空


ここで簡単なあらすじを。

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レヴァーム皇国の飛空士シャルルは、陥落寸前の領地から美しき皇女ファナを連れ、敵中を翔破し本国へ連れ帰るという重要な任務を託される。
傭兵のシャルルと皇女のファナ、身分の違う2人は、敵との戦闘を乗り越え本国に辿り着くことができるのか?

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すごく簡単にあらすじをまとめてみましたが、
恋、身分違い、困難な任務、熱い空戦、といった面白さに発展しそうなキーワードがここからでも想像できます。
では、面白さの秘密をさらっていきましょう。

・王道のボーイミーツガール
この作品の魅力は、これがボーイミーツガールだ!!と言わんばかりに2人の関係性や心情の変化が事細かに描かれているところです。脇役も何人かはいますが、メインキャラは主人公シャルルとヒロインのファナの2人だけ。
出会った時は身分の違いから何も言葉を交わさなかった2人が、様々な体験をし困難を乗り越えることで、心を通わせていくその過程の描写が丁寧です。読んでて心洗われます。
メインの人物が2人だからこそできる些細な心の揺れ動きを是非とも読んで欲しいです。
そう、そしてこの恋は身分違いの恋なのです…

・熱い空戦
敵中翔破一万二千キロ、普通にいけば1週間弱かかる距離です。その間に敵に会わないということはなく、敵との空戦に何度も出会います。
その描写が、熱いんです。こちら側の心理、敵の心理をバランスよく描いてあるため戦闘描写にリズムがあり、読んでいてハラハラする読ませる文章になっています。
感情移入して読めば、楽しいこと間違いなしです!

・不自由な地上と自由な空
上記の2つが、面白さのメインではありますが、やはりストーリーの芯としてこのテーマがあるからこそ、この本は面白いのだと思います。
皇女と傭兵という身分違いは序盤から徹底して対比して描かれます。それは中盤になっても終盤になってもことあるごとに描かれます。
一方で空は身分の関係のない自由な場所として描かれます。その中で育まれる2人の関係性は、尊いという言葉に尽きます。
しかし、地上に戻れば身分の違いは否応なく2人に降り掛かります。
縛られた地上と自由な空、二つの世界を体験した最後に2人が下した結論は…。皆さんの目で確かめてみて欲しいと思います。個人的にはこのラストの美しさに勝てる作品はそうないと思っています。

終わりに
記念すべき一作目、何を書くか迷いましたがここは自分の中でも世間一般でも名作と呼ばれる作品を選ぶことにしました。
最初なので長すぎた気もしますが、またお付き合いいただけると嬉しいです。